スミレの撮影用にTAMRONの20mm/f2.8を購入しました
TAMRONからSONYのEマウント用に寄れる広角レンズが3本出ている中、今年になってから発売された20㎜を買いました。私はスミレやキノコをよく写しますが、どちらも小さい割りに奥行きのある被写体なのできっちり写そうとすると被写界深度の深い広角が欲しいし、フワッと撮ろうとするとボケてくれるレンズが欲しくなります。昨年中古を購入したNEX-6では、きっちり撮りたいときは30㎜マクロを、フワッと撮りたいときはFlektogon 2.8/35 を使っていましたが、山中ではレンズを取り換えるのもなかなか面倒で着いているレンズをそのままということがよくありました。今回購入したTAMRONの20㎜はf2.8と今どきでは暗いと言われてしまうレンズですが、開放での解像力が良好らしいし、絞れば当然深い被写界深度が得られるということで、開けても閉めても両方行ける一本で二度美味しいレンズかなと思って決めました。
NEX-6に着けるとこんな感じです。ボディが小さいので付属の花型フードが大きすぎて見た目のバランスが悪いです。
あまり役に立つとも思われないので使わない気がします。外したほうが似合うでしょ?
このレンズ、小さな前玉のくせにフィルターの口径が67㎜もあります。そのあたりで評判が芳しくないようなので少し擁護します。まず、このレンズはメチャクチャ寄れるレンズです。なんとハーフマクロまでいけてしまのです。APS-CのNEX-6で使うとマクロレンズと言っても良いくらいです。当然、被写体はレンズの直前に来ます。さらに近接撮影時には前玉がぐ~んと繰り出します。最短付近をAFで使ったらそのままでは間違いなく被写体にレンズをぶつけてしまいますが、このレンズは筐体の中で前玉が移動するので心配いりません。反対に中~遠距離では前玉がぐ~と引っ込む訳で、そうなると細い筐体ではケラレてしまいます。実際、前回の記事で書いたリングライトをうっかり着けたまま庭を撮影したらケラレてしまいました(リングライトを使うような近接撮影時には問題ありません)。
67㎜でシリーズを統一しているということはあるでしょうが、NEX-6でこれですからフルサイズ対応のレンズとしてはギリギリを狙って設計してあるなぁと思うのです。
御託は以上にして、実際にこのレンズで写した写真を見てやってください。羽化したばかりのウスバシロチョウが草に止まっていました。これくらいの接写は楽勝です。
庭のミヤコワスレが咲きました。開放だとこんな感じ。流石に20㎜、しかもf2.8なのでこれくらい離れるとそれほどボケてはくれませんが、ボケのなめらかさは前も後ろも私には充分。
13まで絞るとこんな感じ。
チョウジソウを開放で写してみましたが、前玉が小さいので玉ボケは苦手です。
玉ボケはやはりFlektogonの方が得意です。以下、2枚はFlektogon 2.8/35 で開放。
昨年、海野宿で購入した野の花入れにミヤコワスレを差してみました。歪はちょっと気になりますが、これくらいボケてくれれば充分。
そして信州の6月は素晴らしいスミレの季節です。このために買ったレンズですからね。
今年一番の目標だった「これぞアルガ!」というアルガスミレです。花も葉も如何にもスミレ×サクラスミレって感じでしょ? あとからじっくり同定するためにきっりち撮りたいので16まで絞ってます。
周りの雰囲気を一緒に撮りたいときも16まで絞ってます。
草むらの中に咲くキリガミネスミレは開放でフワッと。
今回はコワシミズスミレというのも探してみました。サクラスミレとシロスミレの自然交雑種です。
サクラとシロの混生地が見つかりました。左下のは結構怪しいけど、綺麗じゃない。
怪しげなのはいくつか見つかりましたが、少し遅かったようで綺麗な花に出会えませんでした。これが一番綺麗に咲いていた花。形はサクラですが全体に色が薄くて、唇弁は白です。コワシミズということにしておきます。
シロスミレは背が高いし、草むらの中で咲くので縦アングルになってしまう。そして開放じゃないと周りの草がうるさくて何が写っているのか判らなくなってしまう。
標高を上げると亜高山帯のスミレに出会えます。
ミヤマカタバミ(コミヤマカタバミ?)と一緒に咲いていたミヤマスミレ。
黄色いスミレの中で一番よく見かけるキバナノコマノツメ。
フォッサマグナ周辺の亜高山帯に分布するヒメスミレサイシンを開放で。
18まで絞って。
今回はスミレ用に購入したTAMRONの20㎜を持って信州でスミレ三昧をしてきました。開けても、絞っても、どちらも期待通りに使えるレンズでこれは買って大正解でした!